【2022年7月】7月のある暑い日曜日、ロンドンの有名な大英博物館に行きました。
ウン十年もロンドンに住んでいながら、なぜこの日に行ったかというと、博物館なら涼しいだろうと安易に考えたからです。
この夏、英国および欧州は猛暑に見舞われ、冷房完備のない個人宅はもう、サウナ状態。
ショッピングセンターに逃げる手も考えたのですが、きっと散財するだろうと思い、無料で入れる博物館の方を選んだのでした。
ところが、結果を言うと、とんだ誤算。
大英博物館は、一部を除いて冷房していないのです。
でも、わざわざ予約までして行ったからには、見学しないわけにはいきません。
予約票をチェックされることはありませんでしたが。
荷物検査はありました。
ところで、夫は大英博物館はこれが初めて。
私は学生時代の初の海外旅行の時から始まって、仕事やイベントで何度か訪れていますが。
住んでいると、観光名所にはなかなか行かないものです。
ここでオンライン情報を元に復習してみると、大英博物館が設立されたのは、1753年。
収集家のハンス・スローンという人のコレクションをもとに、大英帝国時代に集められた貴重品が約800万点あるとのこと。
その多くが個人の収集家からの寄贈品だそうです。
大英帝国がすっかり過去のものになっても、略奪品を含めた物を本国に返していないことが大きな問題になっていることは、つとに知られていますね。
大英博物館側としては、ここにあれば完璧に保存され、ここ一か所で系統的に過去の歴史を総括してみることができるというのが言い分らしいですが。
入ってすぐの美しいガラス天井の中庭「グレート・コート」は、有名な建築家のノーマン・フォスターによるもので、2000年にオープンされました。
私達はここを通り過ぎ、夫が興味を示したアッシリア、ギリシャ、中南米の展示品を見学。
それから、私が中国の戦国時代を舞台にした漫画を読んだばかりだったので、そのあたりのものなどを見ました。
目玉の一つである、ロゼッタストーンはガラスケースに入っていて、人だかりがしていました。
私のうっすらした記憶では、学生時代、最初に訪れた時には、ケースに入っておらず、ゴロンとそこに展示してあったと思うのですが。
それから呼び物のミイラも見なくちゃ、とその部屋を探したのですが、一部の部屋が高温のために閉鎖されていて通り抜けができず、結局、係員に尋ねて、ぐるっと回ってたどり着いた次第。
じっくり見たら、きっと丸一日かかるのでしょうが、暑かったこともあり、私達は2時間程度で出てきました。
こうして、世界各地のお宝を一堂に見られるというのは、確かに有意義なことではありますが、でもやっぱり、それぞれの現地で見た方がしっかり心に刻まれますよね。
それに、紀元前の貴重な文化を偉そうに見せているわけですが、そのころの英国なんて野蛮人が徘徊していた頃なのでしょうに、とも思いました。
無料で見せているところは買いますが。
夫は「面白かったけど、思ったより小規模だった。ルーブルの入り口程度じゃないかな」と言っていました。
たぶん、こうした博物館は、涼みに行くのではなく、ちゃんと目的意識を持って、専門家の案内を受けながら見たほうが良いのでしょうね。