【2018年5月】イタリアのサルディニア島の町、ボザからアルゲーロに戻った時も雨は降り続いていて、しかもかなりの大降りでした。
とりあえずは雨宿り、と駆け込んだ店は、Concept 37という名前のエノテカでした。
ちょうど小腹が空いていたので、ここで軽く食べることに。
もともとシェフだったという小柄ながら、がっちりした体型のおじさんが薦めてくれたワインと共に、焼き豚、ハム、二種類のチーズ を食べました。
このワイン、「100 Kent Annos」という名前で、100歳を意味します。
サルディニアでは乾杯の時に「A Kent Annos!」と言うそうで、「100歳まで長生きしますように」という意味なのだそうです。
サルディニア島は世界的にも長生きで知られます。
世界保健機関(WHO)が2016年に発表した世界の平均寿命が71・4歳である中、サルディニアでは100歳に達する人口の割合が世界平均の二倍なのだそうです。
そしてサルディニアの人達は、それを誇りにしています。
アルゲーロの町なかには、100歳を超える人の大きな写真があちこちに掲げられています。
どれも、とても芸術的で素敵な写真です。
長生きの秘訣でよく言われるのは、健康的な食生活や活動ですが、それに加えて、結束の強い家族の中で、いつまでも必要とされているという意識なのですって。
お年寄りを大切に、だけでなく、意見を聞いたり、知恵を拝借したりするなど、お年寄りに頼ることが重要なのですね。
特にサルディニアでは、男性が女性と同じぐらい長生きしているのが特徴なのだそうです。
ちなみに、長生きが顕著な地方を「ブルー・ゾーン」と呼ぶのだそうで、世界で五か所が指定されているとか。
サルディニアのほかは、日本の沖縄、コスタリカのニコヤ半島、ギリシャのイカリア島、米国のロマリンダなのだそうです。
島や半島が多いですが、海が関係しているのかしら。
それでこのワインなのですが、島の中でも100歳以上が特に多い中部のワイナリーで作られたもので、その家族の中に106歳がいるという話でした。
こってりとしてマイルドで、ほのかな甘味も感じられて気に入ったので、送ってもらうことにしました。
ただ、この店には、このボトルが7本しかなかったので、残り5本はアルゲーロにだけあるというブドウの種でできたワインを加えてもらうことにしました。
サルディニア産のスーパークリングワインも試飲させてもらいましたが、こちらは我々の好みから外れていました。
今回の小旅行の後、ほどなく送られてきた「100歳」ワインをロンドンの自宅で楽しんでいます。
長生きできるかな。