【2017年11月】イタリアの中部、アドリア海側にある海辺の町、ペスカーラに行きました。
ペスカーラがあるのはアブルッツォ州。
イタリアはすでに、あちらこちらに行きましたが、アブルッツォは今回が初めてです。
ロンドンからペスカーラに格安航空ライアンエアの直行便が飛んでいるのですが、ライアンエアが膨大な数の便をキャンセルしていた時だったので、これを避け、ローマに飛び、ローマからバスで山越えしてペスカーラ入りしました。
事前に予約したバスは二人で48ユーロ(約6500円)と安くはありませんが、なんせ3時間の道のりです。
乗る前に買ったパニーニを車内で食べていいかと尋ねたら、運転手が「駄目だという規則だよ」と言いながら「いいよ、いいよ」とジェスチャー。
車内では水とエスプレッソが振る舞われ、なかなか心地の良いバスの旅でした。
ちなみに、帰りのバスは二人で18ユーロと破格でしたが、何のサービスも付いていませんでした。
車窓からは、丘に群がった家々の景色や、紅葉が見えたほか、遠くには雪山も見えました。
ようやく着いたペスカーラは明るい雰囲気。
今回の旅は観光だけでなく、仕事や友達訪問も兼ねていたのですが、その友達によると、このペスカーラの町は詩人のガブリエーレ・ダヌンツィオが生まれた町として有名なのだそうです。
ダヌンツィオと言えば、数年前、ガルダ湖畔のヴィットリアーレという彼のお屋敷に行ったことがあります。
この上なくエキセントリックな人柄がうかがえるお屋敷だったのを覚えています。
彼はファシズムに傾倒し、ムッソリーニとも交友のあった人物なのですが、ダヌンツィオの強い要望で、ファシスト党がペスカーラの町を整備したのだという話でした。
確かに、町のあちこちの地面に「ペスカーラ、ダヌンツィオの町」と書かれたプレートが埋め込まれていました。
町の中心は通りが碁盤の目のように走っていてシンプル。
現在は夏場のリゾートタウンとして発展していて、州都ではありませんが、アブルッツォ州の中で最も人口が多い町なのだそうです。
着いた日はもう、暗くて海が見えませんでしたが、数日後の日曜日に海辺に出てみたら、気持ちの良い広大なビーチが広がっていました。
海辺のプロムナード沿いには、大きなホテルが並んでいます。
ちょっと内陸に行くと、こじゃれたレストランが並んでいる地域もあり、なかなか活気がある町のようでした。