ポルトガルの床屋は七三に分ける

ポルトガルの床屋は七三に分ける

【2021年12月】ポルトガルの首都、リスボンに滞在して4日目、悲劇が起こりました。

その日の始まりはまともだったのですが。

いや、そういえば、午前中に夫のパソコンが不具合を起こしたという前兆がありましたっけ。

まずは悲劇に至るまでの出来事を順を追って話しましょう。

この日の予定は、夫の散髪です。

ここ数日、近所を歩きながら、ここと決めていた床屋の前に行ったところ、思っていたよりトレンディな雰囲気で、中で男性客が頭に銀紙を巻き付けられていたので、やめました。

リスボンのカフェの内装の一部
レトロなレコードがかかっていたカフェ

前回リスボンでは、おしゃれな床屋に行って散々な目に遭いましたから、中年以上の床屋さんがやっている昔ながらの店というのが夫の条件なのです。

私達のエアビーアンドビーは、レストランや飲み屋が連なるバイロ・アルトのすぐ西側に位置していて、この辺りは、こういったトレンディなお店やカフェと、古ぼけた店舗が混在しているところでした。

あてどなく床屋を求めて歩いていたら、ちょっと美味しそうなクロワッサンが並んでいる店が目に留まりました。

ランチ替わりに食べようということになり、この店に入りました。

けれど、失敗でした。

小ぎれいで、内装もおしゃれっぽいのですが、€3もしたカプチーノはぬるかったし、パンも美味しくありません。

見渡すと、お客さんは外国人旅行者ばかり。

お店の見た目に惑わされてはいけないことを肝に銘じました。

さて、ここから少し行った所に、何とも小汚い床屋がありました。

リスボンの床屋の中
昔ながらの床屋さんの内装

私達の床屋の条件にはピッタリそうです。

で、ここに入りました。

お爺さんが一人でやっている店で、私達が入ったのが嬉しそう。

待っている間に我々には読めない雑誌を持ってきてくれたりして歓迎してくれました。

夫の番になって、カットしているところを私が写真に撮っていたら、「わしは、Antonio Gato という」とカードを見せてくれて自己紹介。

店の壁に、何やら新聞記事のような物が額に入って飾ってありましたから、もしかしたら、かつては名うての理髪師だったのかもしれません。

出来上がった夫の頭を見たら、きっちり七三に分けられていました

ポルトガルで床屋に行ったのは、これで三回目ですが、三回とも、七三分けにされました。

流行というわけではないと思いますけれど。

ここのお値段は€10と格安でした。

ちょこっと夫の皮膚を剃刀で切ったようで、傷になっていたのが気がかりでしたが。

何しろ小汚い床屋だったので、ばい菌が入ったらタイヘンだと思って・・・。

結果的に、大丈夫でしたけどね。

夫の頭がすっきりした後、スペインの百貨店、エル・コルテ・イングレスのリスボン支店へタクシーで行きました。

悲劇はその後、起こったのです。