【2022年12月】スペインのエストレマドゥーラ州の町、カセレス観光のハイライトは、博物館の地下にある貯水槽だと思います。
最初に観光案内所で写真を見た時に、これは是非、見てみたいと思いました。
入場料€1.20の博物館Museo de Caceres は、15世紀のお屋敷Casa de las Veletas の中に入っているのですが、このお屋敷ができる以前、この場所にムーア人(アフリカ北西部のイスラム教徒)の砦があったそうです。
この貯水槽はその当時のもので、9~11世紀にできたとのこと。
キリスト教徒がこの土地をムーア人から奪回した後、ムーア人の砦は取り壊されましたが、貯水槽だけは残され、その後も人々の水の供給源となっていたという話です。
この貯水槽は長さ13.7メートル、幅9.8メートルあり、イベリア半島で最大かつ最も保存状態が良いそうです。
夫はどこかで、トルコのイスタンブールにある物の次に大きいと読んだと言っていました。
これを見た後に聞いた話ですが、城壁の外を流れるマルコ川から水を引いて溜めていたそうで、町の生命線になっていたとのこと。
敵がマルコ川に毒を流した時にも、すでに水が溜まっていたため、町が救われたのだそうです。
そういえば、ちょうど1年前にもリスボンで、地下貯水槽を見たのを思い出しました。
博物館にはもちろん、様々な展示物があり、考古学関連、民族学関連に分かれています。
私にとって面白かったのは民族衣装の部屋で、派手な帽子を被って農作業をしていた人々や、幾重にもスカートを重ね着して青い靴下を履くのが伝統だった人々がいた様子などが示されていました。
それから、獣の着ぐるみを着るお祭りがあるのも知りました。
博物館には別棟もあって、こちらは昔、馬小屋だったというCasa de los Caballos。
こちらには芸術品が展示してあります。
私達が入った時には、もう昼休みに入る時間で閉まりかけていたのですが、係の人が「急いで見てください」と言って開けてくれました。
ここには、現代の地元アーティストの作品のほか、ミロやエルグレコの絵が掲げられてありました。
博物館を出た後、ユダヤ人街だった辺りを歩き、昔シナゴーグだったというErmila de San Antonio をちょっと覗いた後、12世紀の塔、Torre de los Pozos へ(€2.50)。
この塔は先の貯水槽を守るのが目的の見張り塔だったとのことで、ここの熱心な係員が上記のマルコ川の話をしてくれたのでした。
塔から再度、辺りを見渡しました。
光が強すぎて、夫は目が開けられないと盛んに言っていました。