【2023年6月】イタリアのトスカーナ地方にある地味な町、ポッジボンシでお腹いっぱいになった後、何をするか迷いましたが、やっぱりサン・ジミニャーノに足を伸ばすことにしました。
前にも書きましたが、ポッジボンシは、公共の交通機関でサン・ジミニャーノに行く場合の取り換え地点なのです。
ここからバスで行けるはず。
ところが、イタリアによくある話で、ランチタイム付近になると、バスの本数がめっきり減ってしまい、次のバスは1時間後。
タクシーを探すことにしました。
駅前にタクシー乗り場はありましたが、タクシーはいません。
代わりに、タクシーの電話番号が4つ並んでいました。
夫が上に並んでいる順からかけようとしたのですが、たまたま乗り場付近に腰かけていたお爺さんが「アントニオがいいよ」と声をかけてきたので、アントニオの電話番号にかけてみました。
でも、応答がありません。
すると、お爺さんが「じゃあ、ステファノだ」というので、かけてみたら、ステファノは電話に出たのですが、「30分後に30ユーロで」とのこと。
30分も待ちたくないので、いったん切ったら、そのお爺さんが「何なら、20ユーロでわしが連れて行こうか?」。
私達には渡りに舟。
お爺さんには、ちょっとしたお小遣い稼ぎ。
機転が利くところが、とてもイタリアンです。
ただ、もちろん彼にはタクシーのライセンスがないので、乗り場から少し離れた道端でピックアップしてくれました。
名前は聞き損ねましたが、このお爺さんは71歳。
シチリアのパレルモ出身ですが、トスカーナ地方に出稼ぎに来て50年とのこと。
大工をした後、家具工場で働いたそうです。
退職した後、今は孫の世話が仕事だと言っていました。
「自分の子供の時には何の世話もしなかったが、孫の世話はなんでもする」のだそうです。
こういう通りすがりの人と、すぐに身の上話をするところも、とってもイタリアン。
ポッジボンシについては、仕事がいろいろあるので移民が多いと言っていました。
黒人だけでなく、ルーマニア人、ブルガリア人、アルバニア人が多いのだそうです。
「そのうち、我々が追い出されてしまうよ」とも。
こんな話を聞きながらでしたので、サン・ジミニャーノはあっという間。
たぶん、15分ぐらいだったかと思います。