【2019年1月】スペインのテネリフェ島北部のプエルト・デ・ラ・クルスから出発したこの日の遠足の目的地はマスカです。
どのガイドブックやオンライン案内にも「マスカはテネリフェ島で一番美しい村」だと紹介してあります。
マスカは島の北西部のテノ連峰の中の尖がった岩山のふもとに、ちょこんとありました。
一本道の両側に数軒の家が並ぶだけで、いったい誰がなぜこんなところに、とおのずと考えてしまいます。
その歴史はよくわかっていないようですが、一番、ポピュラーな解説は、もともとは海賊の隠れ家だったという話。
というのも、標高650メートルほどのこの村からどんどん下った先にあるマスカ湾にはその昔、海賊がよく訪れていたのだそうです。
また、魔法使いが住んでいたという話もあるようです。
とにかく、おとぎ話の舞台にもってこいのロケーション。
人々のイマジネーションをかきたてます。
わざわざ行った甲斐がありました。
1991年になるまで、この村へは自動車では行けなかったというのですから驚きます。
今は引きも切らない観光客が車やミニバスで訪れていて、付近の道路は渋滞するほど。
とはいえ、誰もが簡単に運転できるような道ではなく、ヘアピンカーブが続くので、レンタカーを自分で運転するより、ツアーに参加したほうが無難だとガイドブックなどには書かれています。
私達は、マルコスの運転するタクシーで行ったのでした。
現在、約90人の人がマスカ村に住んでいるとのことですが、18世紀に作られたという「無原罪の御宿り」に捧げられた小さい教会には8人しか入れないのだそうです。
健脚の人々は、マスカ村から海に向かってハイキングするのが楽しみらしく、私達のガイドブックでも勧めています。
約3時間の道のりなのだそうで、海に出たら、そこからボートで移動するのが王道だそうです。
ネット情報によると、2007年にこの辺一帯に山火事があったようで、マスカ村の住民も避難する必要があったらしいです。
おそらく、多くの古い家が焼けたのでしょう。
予想に反して、新しめの家が見られたのはこのためだったのですね。
私達はここからプエルト・デ・ラ・クルスに戻る予定だったのですが、運転手のマルコスが地図を描いて、私達の次の目的地である島の南部のサン・ミゲル・デ・アボナへは、ここから直接行ったほうが速いというので、そのまま彼のタクシーで南下したのでした。