人口: 約301万人
言語: アルメニア語、またはロシア語
通貨: ドラム(AMD)
日本との時差: -5時間
国番号: +374
プラグタイプ: Cタイプ
国旗: 赤、青、オレンジの三色旗
日本大使館: 23/4 Babayan Street, Yerevan city, Republic of Armenia Tel: (+374)-11-523-010
航空便: 日本からアルメニアまでの直行便はなく、オーストリアのウィーンやフランスのパリ、ドバイなどを経由するのが一般的。経由地から首都エレバンまでの飛行時間はだいたい3~4時間ほど。
必要書類: パスポート
アルメニア共和国、通称アルメニアはコーカサス南部に位置する共和制国家であり、東ヨーロッパに分類されます。
南はイラン、東はアゼルバイジャン、北はジョージア、西はトルコに囲まれており、海を持ちません。
国土の90%以上が標高1000mを越える山国として知られ、最高地点はアラガツ山頂の4090m。
国土面積はおよそ2万9743平方kmです。
国内に多くの大規模な湖があり、中でも世界で最も高地(標高1900m)にあるといわれているセヴァン湖が有名です。
上述した面積の内およそ1,276平方kmが湖の占める範囲ですが、夏の間などは水位が大幅に下がることもあるそうです。
またアルメニアで流れる最大の川として知られるのが、全長1,072kmの長さを誇るアラス川です。
とはいえ、アルメニア領土内に流れるのはその内わずか192kmほどであり、それ以外はトルコやイランなど各国に及びます。
気候の特徴としては、多くの山々に囲まれていることもあり、夏は短いけれど気温が高く、冬は厳しく長期にわたる、高地特有の大陸性乾燥気候が挙げられます。
また雨が少なく乾燥していることから、典型的なステップ気候でもあります。
国内に活火山がないにもかかわらず、隣国のイランやトルコと同様に地震が多い国です。
特に1988年にレニナカン地方(現在のギュムリ)で起きた大地震では、少なくとも2万5千人もの死者を出しました。
アルメニアの歴史は古く、最古の記録は、紀元前14世紀のヒッタイト帝国時代のものにまで遡ります。
最初に統一国家として歴史に姿を現すのは、紀元前9世紀のアララト王国ですが、この王国は紀元前590年にイランのメディア王国の支配下に入りました。
その後は、アケメネス朝やセレウコス朝といった、古代オリエント帝国の支配を受けるようになります。
独立国家「アルメニア王国」が世に誕生したのは紀元前190年で、ティグラネス2世が統治した紀元前1世紀には一時、地中海から黒海、カスピ海まで統べる大国となりました。
ところが、紀元前66年に共和制ローマに敗れたことで、アルメニアは独立国家としてのステータスを失います。
その後、この土地は数世紀にわたりローマ帝国、パルティア帝国、ビザンチン帝国、ササン朝、モンゴル帝国といった様々な統治者たちによって支配されていきます。
その間の重要な出来事としては、ペルシャのアルサケス朝の支配下にあった紀元301年、アルメニアは世界に先駆けてキリスト教を国教とします。
このことは、現代のアルメニア人にとっても大きな誇りとなっています。
その後、アルメニアが一定の独立を取り戻せたのは、885年から1045年の間にかけてのみでした。
この期間には経済・文化の両面において大きく繁栄したほか、新しい首都をアニ(現在はトルコ領)に定めます。
その後の11世紀~20世紀にかけては、オスマン帝国(トルコ)とサファヴィー朝ペルシア(イラン)、そしてロシア帝国によるアルメニア争奪戦が頻発し、元々住んでいた住人たちの多くが移住を余儀なくされました。
あちらこちらに散らばってしまったアルメニア人でしたが、民族意識がなかったわけではなく、まずは18世紀初めに反乱を起こしますが、失敗に終わります。
さらに、19世紀末になると次第にロシアとオスマン帝国の中でばらばらになったアルメニア人を統合しようという試みが現れ始めます。
ところが結果的に、この民族意識が、戦争中だったオスマン帝国の警戒を招くこととなり、1890年代と1915年に行われたアルメニア人虐殺の原因となったと言われています。
一方、ロシア対ペルシャの戦いの末、ペルシャ領だったアルメニア西部は19世紀初めにロシア領となります。
1917年のロシア革命後、この地域は一時的にアルメニア共和国として独立しますが、1920年にはソビエト連邦の中に組み込まれます。
そして1991年、ソ連の崩壊に伴い、アルメニアはようやく独立を果たしましたが、現在のアルメニアはペルシャ領からロシア領となったアルメニア西部のみを指し、アルメニア人の心のふるさとであるアララト山や古都アニ(遺跡になっています)はトルコ領のままです。
アルメニアの代表的な都市としてまず一番に訪れてほしいのは、アララト平野の南東に位置する首都エレバンです。
コーカサス諸国の中でも最も文化や産業、科学が発展している町の一つで、一通りのインフラが整っているので、観光客にとって訪れやすいといえるでしょう。
劇場、博物館、大学、歴史的建造物など観光スポットも充実しています。
中でもおすすめは、1959年にオープンした世界有数の蔵書を誇る古文書館マテナドランです。
貴重な文書をアルメニア語、ラテン語、ギリシャ語やペルシャ語など多様な言語で閲覧することができますよ。
その他、エレバンという名の基となったエレブニ要塞、15世紀からの歴史を持つ聖サルギス教会、2001年建設の新しいエレバン大聖堂など見るべきものが目白押しです。
また、市内から数キロ離れた場所には、アルメニア正教の大本山であるエチミアジン大聖堂など、いくつもの重要な歴史的スポットが点在しますので、少し足を延ばして訪れてみるのもおすすめです。
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