【2020年8月】イタリアのサルディニア島北西部のアルゲーロで「生活」を始めて4日目になりました。
この日の朝食には、前日、市場で買ったサボテンの実を食べてみました。
甘くて美味しいのですが、硬い種がゴロゴロ入っているのが難点。
夫はこれをフィーコ(イチジク)と呼んでいます。
イタリア語では、サボテンの実をFico di India、インドのイチジクというのですね。
彼はいつものように、朝食後、出かけます。
この日は市場に戻って、馬肉を買ってきました。
我々の住む英国では、ほとんどお目にかからない代物です。
薄くスライスされていて、これを1時間、オリーブオイルに漬け、軽く焼くのだと肉屋に教わってきました。
いったん戻った後、また出かけて、今度はスーパーでワインやバルサミコ酢やトイレットペーパーを買ってきました。
もともとフットワークの軽い人ではありますが、ここでの「生活」がことさら楽しいようで、意気揚々としています。
この日はテーブルに向かう仕事を早々に切り上げて、ビーチに行くことに。
アルゲーロは旧市街から北の方向に長いビーチが続きます。
おそらく、4~5キロはあるでしょう。
私達の「家」から歩いて行くにはかなり遠いので、バスで行こうとバス停へ。
けれど、バスが頻繁に走っているような町ではなく、バス停一つ分歩いて、キオスクで尋ねたりしましたが、いくら待っても来ないので、諦めてタクシーを呼びました。
すると今度は、8分で来るはずのタクシーが15分以上、かかりました。
環境が良くて、食べ物がおいしくて、物価が安くて、まるで楽園のようなアルゲーロですが、利便性では劣るようです。
行ったのは、長いビーチの中の、マリア・ピアという部分で、貧弱な松林がありました。
浜へ下りて行くと、黄色と赤の縞模様のパラソルが所せましと並んでいました。
この海の家の他にも業者はいるようでしたが、面倒だったので、ここで落ち着くことに。
パラソルとデッキチェア二つを丸一日借りると20ユーロ(2480円ほど)、半日だと12ユーロと書いてあります。
もう昼過ぎだったので、「半日ください」と言うと、「半日は2時から」とのこと。
ちょっと損した気がしましたが、仕方ないなと思っていたら、「15ユーロでどうか」ということになりました。
こういうフレキシビリティは、日本ではめったになさそう。
けれどパラソル間の距離は短く、特にソーシャルディスタンスの対策はとられていないようでした。
海には三段階のグラデーションがあって、本当にきれい。
粒の細かい砂浜なので、はだしで歩いても全く痛くないし、海の中もしかり。
水は、最初は冷たく感じましたが、慣れると心地よい水温です。
ずっと浅瀬で、ブイがあるところまで行っても、立ち上がると、水位は胸ぐらいでした。
水浴びを楽しんで、デッキチェアで昼寝して・・・これぞホリデー。
どんな巨漢も、しわしわのお年寄りも、人の目を気にすることなく海水パンツやビキニ姿になって海を楽しんでいます。
3時半ごろに、海の中に戻った時には、潮が満ちていて光の加減も変わっていました。
そしてブイのある所では、足元に冷たい流れがありました。
めいっぱい海を楽しんだ後、帰りもバス停で待ちましたが、全然、来ないので、やっぱりタクシーで帰宅。
帰ったとたん、夫は取る物もとりあえず、馬肉をオリーブ油とニンニクと塩とパセリに浸しました。
このニンニク、ひとかけら食べてみたら、ものすごく強くて辛くて、息が詰まったほどです。
しばらく置いて、肉を軽く焼きましたが、結果的に、ちょっと硬くて残念。
その代り、サラダのトマトが甘くて、果物のよう。
夫が市場で買う時に、おばさんが「ほらごらん。このトマト、私を食べて、と言っているよ」と言ったのだそうです。