【2017年6月】オランダのアムステルダムから、南ホラント州の主要都市を大急ぎで巡るツアーに参加しました。
どの国でも、通り一遍のツアーはありますが、オランダの場合、これがとてもよく組織化されていて、参加しながら、何か工場で生産されてベルトコンベヤーで運ばれるモノになったような気分がしました。
悪い意味ではないのですが。
午前9時に集合した場所に、大きな荷物を預け、9時半に大型バスで出発です。
まず行ったのが、デン・ハーグ。
知らなかったのですけれど、オランダの政府機関や各国の大使館など国の中枢機関はすべてデン・ハーグにあり、国王もここにいるそうです。
でも、オランダの首都はアムステルダム、と誰もが知っていますよね。
エリックというガイドの説明によると、19世紀初めにネーデルランド連合王国が誕生し、首都を決めなければならなかった時、すでにいろいろな機関があったデン・ハーグは「おしゃべりばかりして働かない怠け者や、犯罪人や娼婦ばかりで首都に不向き」と考えられたのだそうです。
当時、オランダの傘下にあったブリュッセルが候補に挙がりましたが、「彼らはフランス語を話すので却下」。
それで、アムステルダムに白羽の矢が立ったのだとか。
でも手元の広辞林で首都の定義を見ると、「一国の中央政府のある都市」と書いてあります。
例外もあるということなのでしょうかね。
そして、さらに知らなかったことですが、オランダは今年3月の総選挙以来、この6月の時点で組閣ができていないという話でした。
選挙そのものは、移民排斥のポピュリスト政党の自由党が議席を伸ばすか否かで、世界中から注目されていましたが、結果的には、中道の自由民主国民党が最大議席を獲得。
多くの人がほっと胸をなでおろしたわけですが、その内訳をみると、様々な政党が入り乱れる結果で、組閣が難しい状況だったようです。
その後、どうなったのでしょう。
そんな話を聞いた後で、バスが停まったのは、有名な国際司法裁判所の前でした。
平和宮とも呼ばれる立派な建物ですが、門の前の広場はなぜか草がぼうぼうでした。
エリックは「小さな正義のための大きな建物」というような表現をしていました。
不満があるのかな。
エリック自身、デン・ハーグの出身なのだそうです。
この町の名は、正式にはデン・ハーグ・スフラーフェンハーヘというそうで、この後部にオランダ語特有の、文字にし難い喉の奥で音をたてる発音が多く含まれています。
エリックが何度も発音してみせて、笑いを誘っていました。