【2017年4月】ヴェネツィアのムラノに行くたびに、何かしらガラス製品を買ってしまいます。
アクセサリー類だけでなく、ちょっと背伸びしてカラフルな壺を買ったこともあります。
私自身には高価すぎて手が届かなかった昔、母が宮殿に置くのに似合いそうな小物入れを買ったのも思い出です。
でも今回、惹かれたのはビーズ。
現地の博物館で学んだことですが、昔々、マルコ・ポーロが東の国から持ち帰ったビーズにヒントを得て、ムラノの工芸家たちが13世紀末にガラスのビーズを作り始めたとか。
15世紀には、宝石に似せたガラスを作ることがブームになり、17世紀にはきらきらしたアヴェンチュリン・ガラスを発明。
面白いことに、アヴェンチュリンという宝石の名前は、アヴェンチュリン・ガラスに似ているので、そう呼ばれているのだそうです。
ムラノ・ガラスが斜陽になった19世紀にも、ビーズ作りだけは繁栄を続け、むしろ拡大した、と博物館で買った小冊子に書いてあります。
昔は、通りや広場で、小さいビーズを糸に通す作業をする女性たちが風物詩だったこともあったとか。
そんな歴史をかじったうえで、ガイドブックで薦められていた手作りビーズ店、Salvadore に行ってみました。
店中に、色も形も大きさも様々なビーズがガラスの壺に入って売ってあって、わくわくします。
大き目のモノは、一個€15ほど(約1900円)と安くはないので、気を付けて選ばなければなりません。
特に、紙風船のようなビーズに心が惹かれ、ネックレスづくりを念頭に、いくつか購入しました。
この店は、ダヴィデ・サルヴァドーレさんという、地元のガラス職人の家に生まれ、ガラス産業にどっぷり浸かって技術を学び、1987年に独り立ちした人の店だそうです。
ビーズは、帰ってから作るという楽しみも提供してくれるので楽しいですね。
と言っても、買ったのはビーズだけでなく、出来上がったネックレスも衝動買い。
橋のたもとにあった Artigianato Veneziano という店のウィンドーにあって一目ぼれした、たくさんの葉っぱが連なったようなネックレスです。
一つ一つのビーズに、皮ひもを通す穴を作る必要があるので手間がかかっていると説明されました。
この店をやっているノリ―ナ・デステさんは、アクセサリーのデザイナーで、自分の思い描くガラスを工場に注文して作ってもらっているという話でした。