
【2025年12月】モロッコのマラケシュでのガイド付きウォーキングツアー、次に訪れたのはバヒア宮殿です。
1人100ディルハム(1700円ほど)払って入りました。

19世紀後半に建てられた豪華な屋敷ですが、ここは国王の宮殿ではありません。
現在も続くアラウィ朝の当時の国王が年少だった時に、政治をつかさどった宰相のバ・アハメドという人の邸宅だそうです。
そしてバヒアというのは、その宰相の第一夫人の名前。
自分の名前でなく、奥さんの名前を付けるところ、素敵ですね。
とはいえ、この人には4人の妻と、24人の妾がいて、皆一緒に住んでいたそうです。
私たちのガイド、ユスフの話によると、一夫多妻は、男が戦死して未亡人になった女性の行き場を確保するというのが元来の意味。

ハーレムというのもまさに、そうした未亡人に与えた暮らしの場で、そこの家の男は未亡人たちに指一本触れてはならないという規則だったそうです。
それが男の欲望のせいで変わってしまったわけですが。
ちなみに、現在の国王、ムハンマド6世は歴代で初めて、一夫一妻制を体現した人で、モロッコの近代化や女性の権利向上に貢献したといわれます。
そして、この国王、歴代で初めて、離婚したそうです。
まあ、これも近代化の表れですかね。
その後、再婚はしていないそうです。

バヒア宮殿に話を戻しましょう。
イスラム建築は、水、タイル、漆喰、木、大理石の5つの要素で成り立っているとのこと。
中庭の噴水が水の要素。
ここで、中庭にプールがあるリヤドはツーリスト向けに作り替えたものだとの説明を聞いたのでした。
タイルの色は決まっていて、イスラムの色の緑、空の青、喜びの黄色、地の色としての白と間を埋めるための黒。

これ以外は使われないのだそうです。
だから、モロッコでもムーア人が築いたスペインのアンダルシアの町でも、同じタイルが使われているわけですね。
室内の豪華な木製の天井の絵は、花畑の図で、天国を思わせているのだそうです。
宮殿で一番大切な部屋はバヒアの部屋で、一段ときらびやかでした。
この第一夫人のバヒアさんは、宰相の右腕でもあったそうです。
ところで、ドアの一部に穴があったのですが、これは猫が行き来するための穴。

ネズミ退治に役立つ猫は、神聖だとみられているという話でした。
猫が退治できない大きなドブネズミについては、その昔、一匹いくらと決め、子供らにたくさん殺させたとユスフが言っていました。
それから、庭にあったオレンジの木について。
あちらこちらで見かけたオレンジですが、葉っぱが二つに分かれている種の実は、渋くて食べられないのだそうで、マーマレードにするということでした。

目の保養だけでなく、いろいろ面白い話が聞けて、充実した宮殿訪問でした。