【2021年11月】スペインのアンダルシア地方の州都、セビリアにはたくさんタパス・バーがあることは前述した通りです。
それぞれ特徴があるのですが、この日、私達が行ったタパス・バー、Bar Giraldaは、もともとハマムだったところ。
ハマムとは、イスラム圏の公衆浴場で、今もトルコや中東などの国々では、しっかり文化として根付いているものです。
ガイドブックでひと言「元ハマムだった」と書いてあったので、ハマムを改造してバーにしたのかと思っていたのですが、どうやら、ここがハマムだったことが分かったのは最近のことらしいです。
ネット情報によると、まず1900年代初頭に、ホテルになったとのこと。
その際に、ハマムの構造を壊さず、隠して保存したのが奏功して、2020年夏にすでにタパス・バーとなっていたこの空間を改装した際に、12世紀のハマムが見つかったという話です。
大聖堂のすぐ北側にあり、ツーリストが多い辺りですし、こんな話題の店の料理はどうせ、大したことないだろうと思いながらも、建物を覗いてみたくて入った次第。
ほほう、確かに天井がハマム。
壁にもそれらしさが残っています。
遺跡とバーがうまい具合に融合していました。
ハマムには色付きの幾何学模様が施されていたことが分かっているそうです。
私達がこの歴史的な一角に落ち着いて食べたのは、ピーマンの肉詰め、雄牛のしっぽ、アーティチョーク、タコのタパスの4品。
これが意外に、どれもとても美味しかったのですよ。
タコは小さくて拍子抜けしましたが。
お値段は、グラスワイン3杯も含め、€26.50(約3400円)とリーズナブルでしたし、かなり満足度の高いランチとなりました。
セビリアに機能しているハマムそのものがあるかどうか知りませんが、その昔、同じアンダルシア地方のコルドバに行った時にハマムを体験したのを思い出しました。
このBar Giralda がある地区は、Barrio Santa Cruz といい、「散歩するのに最高のところ」とガイドブックにあったので、辺りを歩いてみました。
1492年までユダヤ地区だったところだそうです。
私達は、ガイドブックのページを見ながら、順序だって歩く努力をしたのでしたが、いかんせん、地図が併記されていないため、分かりづらいことこの上ありません。
ここだと思って行ってみた修道院が見学不可だったり、通りが行き止まりだったり。
普段は、迷路のようなところを迷いながら歩くのは好きなのですが、どうしたわけか、この時には疲れが先立ち、諦めて引き返しました。