【2021年4月】イングランドでは、長いロックダウン規制が緩んできて、とうとう外食が許されるようになりました。
ブライトンを訪れたこの時点では、まだ戸外のテーブルでのみという制限がありましたが、私達にとっては、7か月ぶりのレストランです。
ランチを予約して行ったのは、The Copper Clam というシーフードの店。
海沿いにあることは分かっていたので、内陸部の散歩の後、馴染みのある海辺に出てきました。
携帯の地図を頼りに、少し歩いた末、レストラン発見。
入口に「満席です」との立札がありました。
外食が解禁になって、イングランド中の人々がレストランに押し寄せているのです。
食べるだけでなく、これまで会うことができなかった友達と食事を共にするというのが目的の人々もたくさんいます。
我々は予約してあったので大丈夫。
このレストランでは、海側の戸外にテーブルが並んでいるのですが、店本体に近い所に大きなパラソルがあり、指さされたテーブルが、そこから外れていたので、隣のパラソルの下のテーブルに腰かけようとしたら、ウエイターが「お宅はこちらです」とパラソル外の席に誘導されました。
なぜパラソルにこだわったかというと、日は差していたものの、お天気雨がぱらついていたのです。
それでウエイターに雨になったら他のパラソルを出すのかと尋ねたら、それはないという応え。
「ああ、イギリスのサービスってこんなものだったなあ」とため息が出ました。
結果的に雨は降らず、暖かい陽射しの下で食事ができたのですが。
それはともかく、食べたものは美味しかったです。
スターターは夫とシェアしたタコの料理。
リンゴソースとウォータークレスとのコンビが良かったです。
たった4切れで気取っていましたが。
メインは二人とも、ロブスター半分。
半分と言っても、量はそもそものロブスターの大きさによるわけで、コレは期待したより小さかったです。
ぷりぷりしていて美味しかったですけれど。
ワインは夫が注文したのが切れていて、「代わりにファランギーナがあります」と薦められたのにしたのですが、私がぽろっと「ファランギーナは時々、重いのがあるのよねー」と夫に言ったのがウエイターに聞こえたらしく、テイスティングは私が。
きーんと冷えていて、良い感じでした。
デザートは、梨のお菓子pear and rum steamed puddingと、パイ系のapple & ginger filo parcelsを取って二人で分けました。
この時点までに、ウエイターの何人かがイタリア人だと判明。
特に一人は、日本語を含め6か国語を少しずつ話す人で、夫と会話が弾みました。
夫が、最初に所望したパラソルの下のテーブルが結局、空いたままだった旨を指摘すると、「予約があったのに来なかったんですよ」と困り顔。
確かに、久々にレストランが解禁になり、予約しておきながら現れない客が増えて、問題になっているとニュースで聞きました。
この彼は、ホテルの営業再開と共に、有名なブライトンのグランド・ホテルに転職することが決まっているそうです。
昔の青春映画「さらば青春の光」でスティングがベルボーイとして働いていたホテルです。
英国は、欧州連合(EU)離脱と新型コロナの蔓延が重なり、欧州大陸国籍の人々が多数、自国に戻ってしまい、特にサービス業で人手不足が深刻化しているのだそうです。
こういう会話で素性が分かってくると、サービスもイギリス式からイタリア式に移行。
夫が、何か食後酒はないか、と尋ねたら、チョコレート味のポートワインが’サービスされました。
確かにチョコレートの香りのある不思議なポートワインでした。
このランチのお代は£114(17600円ほど)と安くありませんでしたが、もともとそのつもりでしたので、驚きませんでした。