笑いが止まらぬ海の色 2

カメラのひとつが壊れた。

これはショック。

落としたわけでも、ぶつけたわけでもないのに、突然、電気系統が動かなくなった。

最初はそれでも、オートフォーカスだけはジジ

ジッと動いていたが、やがてそれさえしなくなった。

まだ旅行のはじめなのに・・・。

急遽、レストランで聞いた電気器具屋に行ってみる。

でもこの田舎の話。

チェーン店ではあったが、カメラの本体だけを売るというようなことはしてくれず、結局、そこにあった一番安いバカチョンを買った。

ぺらぺらのプラスチック製で、おもちゃみたい。

気を取り直して、フォッジャの町へ向かう。

ここからヘリコプターに乗るのが今回の旅のハイライトだ。

まずその前に、フォッジャを歩いてみる。

暑い。

そして、このあたりは午後に店が開くのは5時過ぎとかで、町中が閑散としていた。

今いち盛り上がらず、特にぱっとしない町ってのもあるんだなあ、イタリアにも、と妙に感心して空港探しに入る。

信号待ちのバスの運ちゃんも含め、三人ぐらいに尋ねて空港に行き着く。

6時ちょうど発の便で、遅れるかとはらはらして構内に走りこむが、ほとんど誰もいない。

奥のほうにあるカフェに走っていって尋ねたら「落ち着いて、落ち着いて。

ほら、パイロットもコーヒー飲んでるし」となだめられた。

出発15分前に、ようやくカウンターに人が来て、無事、チェックイン。

手荷物検査には3人も人がいて、おしゃべりに花が咲いている。

乗客が来たんで、おや、という表情でおしゃべりを止めて働いた。

一日中、こうしているんだろうか、暇な仕事だなあ。

巨体の釣り人たちと一緒にヘリコプターに乗り込む。

このヘリは最高15人が乗れるようだ。

ヘリに乗るのはこれで二度目。

その昔、仕事で乗ったヘリはもっと小型で、いきなり前につんのめるようにして浮き上がり、かなりスリルがあったが、今回のは飛行機のように少しばかり助走して普通に離陸した。

残念ながら、ちょうど雲が広がってきたところで明るい景色は見られなかったが、半面、雲と海の真ん中辺りを行くという不思議な体験をした。

空と海が一体化している景色。

写真を撮るのに、このくらいの高度が一番良い。

その昔、空から見た世界の景色のシリーズ写真を見て感心したことがあったが、写真を撮るために、ヘリを飛ばせるようなら、良い写真が撮れるのは必至だ。

そしてほどなく、トレミティ諸島に到着。

雲のせいで海がいまいち輝いておらず、しかも薄ら寒かった。

ホテルに電話したら、ほんの数百メートルの距離なのに、車で迎えに来てくれた。

シンプルな三ツ星ホテル。

チェックインの後、風に吹かれながら辺りを散歩。

ここはサン・ドミノ島で、向こう側にサン・ニコラ島の町に光がともっていくのを眺めた。

夕食はホテルのテラスで。

たった10ユーロという破格。

魚のフライ盛り合わせだった。