【2023年6月】イタリアのトスカーナ地方の無名の町を巡る旅、次に行ったのは、ポッジボンシです。
普通、公共の交通機関を使ってサン・ジミニャーノに行く人々が、ここで列車を下りて、バスに乗り換える地点です。
サン・ジミニャーノは有名なので、きっと混雑しているし、何回か訪れたことがあるので、私達はこの乗り換え地点のポッジボンシを歩いてみることにしました。
観光案内所すら見当たらないので、グーグルの地図を見ながら、まずは由緒ありそうな教会に入ってみました。
Chiesa di San Lorenzo という教会で、案内板によると、14世紀初めからの歴史があるそうです。
簡素な教会でしたが、彫像を照らす光が素敵。
こんな田舎町でもイタリアらしいデザイン力が効いています。
さらに歩くと、今度はCollegiata di Santa Maria Assunta という教会に行き当たりました。
こちらは結婚式の準備の最中。
外に結婚式で使う可愛いフィアット500が停車していて、絵になりました。
さて、次はどこに行こう、とグーグルマップを見たら、歩いてそんなに遠くないところにお城があることが分かりました。
Castello di Badia という名前です。
ちょっと迷いながら、ようやく門前にたどり着きましたが、「私有地なので入るな」と書いてあります。
門の横にはブザーが並んでいて、敷地内に7家族ぐらいが住んでいる様子。
私一人なら、ここで諦めるところですが、夫が一番上の、Castelloと書いてあるブザーを鳴らし、城の持ち主と思われる人と話しました。
「外から見るだけならいいですよ」と言われたとのことで、閉まった門の脇の隙間から入りました。
働いていた庭師にも、オーナーから許可を取った旨を知らせ、侵入者ではないことを明らかにしました。
かなり長い坂道を上ります。
途中にあった建物がそれかと思ったのですが、道はまだ続いていたので、どうやら管理人の館だったようです。
そして、さらに進んで、びっくり。
本当の中世の城らしい城の建物が現れました。
かなりの規模です。
本当にここに人が住んでいるのでしょうか。
城は通常、外から離れて見た方が素敵で、中は似たり寄ったりだったりしますが、この城に関しては、現代の人々がここでどう暮らしているのか見てみたい気がしました。
入れなくて残念。
ーーとその時は思ったのですが、後でこのお城の歴史を調べようと検索して、がーっかり。
実は、このお城、ホテルになっているのでした。
一泊€150(24000円ほど)ぐらいで泊れるようです。
でも歴史のあるお城であることは確かで、紀元998年7月25日に、ウーゴ・ディ・トスカーナという侯爵がこの城を教会に献上したという文献があるとのこと。
献上の理由というのが面白くて、「世界が終わる起源1000年に侯爵の魂が救われるのを願ったため」だそうです。
1999年に人類が滅びるというノストラダムスの予言というのがありましたっけ。
2000年には、コンピューターが狂うと予想されて、世界中が戦々恐々としていました。
今も昔も、人間は1000年の節目ごとに大災難が起こると信じているわけですね。